選ばれる理由
ドローンの登場により建築業界はある種の技術革新を迎えたといってもよいかと思います。当社では当初それは精々が屋根上の様子を梯子を掛けることなく調べられる程度に考えていましたが、搭載可能なカメラの精度も飛躍的に向上しており、又、精度だけではなく種類も豊富になりました。
そのうちの一つがサーモカメラです。今までは熟練した職人が屋根に上り目視や打診・触診等行い判断していました。しかしその方法では確認した劣化個所を正確に保存したり、他者に伝えることが不可能でした。
例えば打診や触診によって得た劣化個所をご依頼主様に伝えたとしても、申し訳ない話ですがご依頼主様は打診や触診の熟練技術を持っていないため、職人の感覚で説明したことを単純に信用していただくほかありませんでした。また、保存するにしても職人の感覚を文章化する程度の事であり、見る人によってとらえ方が変わってしまうあいまいなものでした。
サーモカメラによる表面温度の変化を示すことにより、打診や触診といった技術や経験を必要とせず、視覚的・数値的な表現ができるようになり、そして、だれの目にも同様にとらえることができる保存ができるようになりました。
検査結果を保存できるようになったということは、将来改めて建物に不具合が発生した際に過去の状態との比較ができるようになるということです。
上記の3枚の写真はまったく同じ写真ですが、赤外線の感度に変化をつけることで❶は全体の熱分布をぼんやりと眺め、❷で熱分布の異常個所にフォーカスしています。❸は元の画像です。
サーモカメラによる検査は温度分布を視覚化したものであり、異常がある部分は異常のない部分と比較して温度に変化があるという理屈です。 つまり、前回異常がなかった(温度変化のなかった)箇所に異常(温度変化)が発生した場合、そこが劣化もしくは要修繕箇所といえます。
そして、当社では単にサーモカメラを導入しただけではなく、その利用方法についても十分な精度を保つため、赤外線建物診断技能士・外壁診断士の資格及び赤外線建物外壁劣化診断特別研修・赤外線建物雨漏り診断特別研修修了者を常駐しています。
赤外線の映像には実に多様なノイズが入ります。それは点検個所に反射した太陽光であったり、発電機や給湯器等による発熱、突風による急な低温化等数え上げればきりがないほどです。
上記の画像を見て頂いても、中段左のマーキング個所は元画像からも若干タイルが浮いているように見受けられますが、中段右側のタイルは元画を見ても浮いているようには見えず、赤外線診断をして初めて見える程度です。また、下段のマーキング個所は赤外線画像では高熱を持っているように見受けられますが、元画像を見るとコンセントであるため熱があるのだとわかります。
それらノイズをコントロールして正しい調査を行うためには、経験もさることながら正しい教育を受けることが必要不可欠です。赤外線を使用する企業はたくさんありますが、中にはやはりそうした教育を修了していないであろう企業を見かけてしまうのも事実です。
当社では赤外線調査を行うものは必ずこれらの資格を取得し、取得後の特別講習を修了してもらうことにしています。教育課程で先輩から後輩に教えることはとても重要ではありますが、それだけでは例えば先輩としての驕りや横着が発生するかもしれません。
なかなか大きな費用が発生してしまいますが、赤外線を扱うすべての従業員が同一の教育課程を修了し同一の視点を持つことで、だれが診断しても主観を交えず客観的に同じ結果を得られるよう徹底しております。
また、場所によっては人の手で撮影できない場所もあります。それを補うためにドローンの導入もしていますが、このドローンのパイロットに関してもJUIDA無人航空機操縦技能・無人航空機安全運行管理者資格の取得を義務としています。
現時点で個人宅の敷地内であればこの資格は不要とされていますが、何十年もローンを組んで何千万円もかけて購入したお客様の大切なご自宅です。万が一にもドローンを墜落させて傷をつけるわけにはいきませんし、そのようなご不安を覚えさせることさえしたくありません。
どうかご安心いただければと思います。